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サテライトオフィス新設に
活用できる補助金制度・
自治体の事例

#補助金 #労働環境整備 #感染症対策 #働き方改革

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    補助金制度・自治体の事例

サテライトオフィスの新設に活用できる補助金

新型コロナウイルス感染症や働き方改革などの影響による、テレワークの急速な普及に伴い、サテライトオフィスを新設する企業が増えてきました。
そこで注目されているのが補助金の活用です。
働き方改革や地方創生の観点から、サテライトオフィス新設に活用できる補助金を設ける自治体が増えています。
補助金を活用できれば、投資を抑えることができるため、企業にとって大きなプラスになります。ここでは、補助金の内容や条件について説明いたします。

IT導入補助金

IT導入補助金は、都市部や地方にかかわらず、ITツールを導入する中小企業や小規模事業者を対象に交付される補助金です。
IT導入補助金は目的に応じて、大きく次の4つに分かれています。

  • ・通常枠:ソフトウェア費やクラウド利用料、導入関連費が対象。補助金は最大450万円まで。
  • ・セキュリティ対策推進枠:セキュリティサービス利用料が対象。補助金は最大100万円まで。
  • ・デジタル化基盤導入類型:会計ソフトや決済ソフト、ECソフトのソフトウェア購入費、クラウド利用料、導入関連費が対象。
    補助金は最大450万円まで。
  • ・複数社連携IT導入類型:デジタル化基盤導入類型の要件に属する経費、デジタル化基盤導入類型の要件に属さない複数社類型特有の経費が対象。
    補助金は最大3,000万円まで。

参照元:サービスデザイン推進協議会|IT導入補助金について

人材確保等支援助成金(テレワークコース)

良質なテレワークを制度として導入または実施し、人材確保など、雇用管理の改善が見られた中小企業を対象に厚生労働省が実施している助成金です。
機械などの導入に対し、目標達成のためにかかった支給対象の経費に対し、1企業あたり最大100万円、またはテレワーク実施対象労働者1人あたり20万円(※どちらか高い方)が支給されます。
「すでにサテライトオフィスを設置した」「テレワーク推進への取り組みを行って成果を上げた」という企業が検討しやすい補助金です。
参照元:厚生労働省|人材確保等支援助成金(テレワークコース)

各自治体でもサテライトオフィスの新設に利用できる
補助金制度を設けている

国や東京都だけでなく、地方自治体でも地方創生を目的としてサテライトオフィス新設に対する補助金制度を設けています。
地方へのサテライトオフィス設置を検討している企業の中には、各自治体の補助金制度を判断材料としているケースも少なくありません。
自治体の例をいくつかご紹介します。

各自治体でもサテライトオフィスの新設に利用できる補助金制度を設けている

栃木県

栃木県が実施している「栃木県オフィス移転推進補助金」では、県外の企業が栃木県内に設置するオフィスに対して賃借料の2/3以内、年間100万円まで補助するものです。
リモートワークの推進を目的に、地方への移転や分散をする目的で設置するオフィスであることや、物件を2年以上契約することなどが条件となっています。
参照元:栃木県|企業立地に関するご案内

宮城県

宮城県が実施している「宮城県サテライトオフィス設置推進補助金」は、テレワークができる場所を宮城県内に設置する企業や法人などを対象にした補助金です。
サテライトオフィスの賃料を月10万円まで、住居の賃料を月4万円まで補助してくれる手厚い内容が特徴。
本社が宮城県内にないことなどが条件で、市町村によって補助率が異なります。
参照元:宮城県|サテライトオフィス設置推進補助金・定着推進補助金

富山県

県全体でサテライトオフィス誘致に力を入れている富山県では、「富山県サテライトオフィス誘致プロジェクト」として、県外向けにサテライトオフィスの誘致活動を行っています。
サテライトオフィス等の開業時における進出企業の施設整備費を補助しており、「サテライトオフィス等施設整備費補助金」は50%の補助を上限250万円(中山間地域は300万円まで)まで受けることができます。
参照元:富山県|サテライトオフィス誘致に関する県の補助金・助成金、それ以外でサポートできる情報

東京都では「サテライトオフィス設置等補助事業」を実施

経済の中心である東京都でも、サテライトオフィス開設に関する補助金事業を実施しています。
東京都が実施する「サテライトオフィス設置等補助事業」は、都内市町村にサテライトオフィスを新設する企業に対する補助金で、民間、行政の2コースに分かれており、サテライトオフィス設置やミニワーケーションを対象に支給されます。
サテライトオフィスの設置が少ない場所であること、複数の企業が共同利用できる共同型サテライトオフィスであることなどの条件が定められています。
整備改修費や運営費を対象に最大3,600万円支給されるので、東京都へのサテライトオフィス設置を検討しているなら詳しい要件を確認しておくのがおすすめです。
参照元:東京都|テレワーク活用に向けた支援

サテライトオフィスの新設に補助金を活用する際の注意点

補助金の活用を検討しているなら、注意すべき点やデメリットを把握した上でサテライトオフィスの開設を進めるのが得策です。
また、補助金の手続きには特徴があるので、事前に理解しておきましょう。

補助金と助成金には違いがある

補助金と助成金はどちらも要件を満たしていれば交付されるお金です。
しかし、助成金はほぼ100%支給されるのに対し、補助金は審査の結果次第では支給されないケースもあります。
補助金を活用すればサテライトオフィス開設のためのコストを大幅に抑えることも可能ですが、100%支給される前提で進めると予算が不足する可能性があるため、注意しなくてはなりません。
補助金の活用を検討する場合、事前に要綱を確認するのはもちろん、補助金を設けている国や自治体に連絡し、「要件に当てはまっているか」「いくら受け取れる可能性が高いのか」などの確認が必要です。

補助金と助成金には違いがある

補助金は申請通過後にすぐに支給されるわけではない

補助金は審査を通過してもすぐに支給されるのではなく、原則後払いということを理解しておきましょう。
例えば、テレワークの設備投資100万円に対して、最大でかかった費用の1/2の金額を支給する補助金を活用する場合、まずは自費で100万円を支払い、後から補助金50万円が支給されます。
補助金を除いた費用の全額を準備しておく必要があるため、資金繰りをきちんとしてから補助金の活用を検討してください。

必要な書類や手続きが多い補助金もある

補助金を活用する場合は、要件に該当するか、実現可能な計画であるかを厳正に審査するため、複数の書類提出を義務付けられているケースがほとんどです。
また、記載した内容の信憑性を高めるため、内容を裏付けるための資料の添付が必要なこともあります。
このように、補助金申請の手続きには予想以上に時間と手間がかかる場合もあると、事前に理解しておきましょう。
補助金や助成金など、複数の事業を活用しようと考えたとき、申請にコストがかかりすぎると通常業務を圧迫してしまう可能性もあります。

事業の成果によって返還を求められるケースも

サテライトオフィスやテレワークに関する補助金のなかには、設備投資に対するものをはじめ、取り組みに対して支給されるものもあります。
特に事業計画などを提出する補助金は、計画どおりに運営していないと支給された補助金の一部、または全額の返還を求められるケースもあるので注意が必要です。
返還を命じられると、コスト面でも信頼面でも大きな損失になります。
補助金を活用する際は、将来性も見越して実現可能な計画を立てる必要があります。

補助金の活用によるオフィス新設で働き方にあわせた労働環境の整備を

感染症対策や働き方改革を同時に進めることができる施策として、サテライトオフィス新設を検討する企業は増えています。
サテライトオフィス新設に活用できる補助金は国や東京都をはじめ、多数の自治体が実施しているので、要綱を確認して条件に該当する補助金の活用を検討してみてください。
ただし補助金は原則後払いが基本なので、十分な資金を準備した上でサテライトオフィス開設を進めるのがおすすめです。
どこに住んでいても働けるような自由度の高い労働環境を整備し、従業員の満足度や生産性の向上を目指していきましょう。