お客様の要望に応じて日々進化する
代表取締役角谷 潤氏
2006年の創業以来、介護給付金請求システム・うるおいを軸に着実に成長しているサーバーフリー。2013年5月にPMO岩本町に入居した。
「人がすべて」と語る代表の角谷氏がなぜオフィスを移転したのか、そして、なぜPMO岩本町を選択したのか。
今回は同社の事業内容や今後の展望について、話を聞いた。
角谷さんサーバーフリーを設立したのは2006年。もともとはソフトウエア会社で働いていたのですが、独立して個人事業主として仕事をしていました。その後、取引先から「法人化すれば、もっと仕事をお願いできるよ」と勧められたことがきっかけで起業しました。 そもそも、ソフトウエア会社時代に介護事業給付金の受付システム、つまり行政側のシステム開発を担当していました。ある自治体からは、「施設側の給付金請求システムも作ってくれないか」と依頼されたこともありました。そこで独立後は、「介護給付金請求システム・うるおい」を事業化しました。介護給付金は、請求項目・条件・ルールが非常に複雑で、施設側のミスが多い。それをできるだけ簡単に、そして間違いがなく請求できるように考えています。手軽に利用してもらえるように、ASPとして月額料金、年額料金で提供しています。また、2012年からは、介護ヘルパーさんの給与計算システムも提供しています。介護施設としては、給付金の請求や給与計算が大きな負担になっていたのですが、それを少しでも軽減できればうれしいです。
角谷さん介護関連のシステム開発以外にも、いろいろと新しいサービスにチャレンジしています。まず「ロゴッチ」というサービスがあります(現在、休止中)。これは仲のよいデザイナーさんとの話の中で生まれたサービスです。さまざまなフォントデータなどをシステム内に保有させていて、「ホットな感じ」「トラディショナルな感じ」などと幾つかの項目をユーザーが入力すると自動でロゴが作られるというサービスです。サーバーの容量の問題で今は一次的にサービスを休止していますが、近いうちに新バージョンで再開したいと思っています。
他にもネット上で写真アルバムを作るサービスもあります。本当にアルバムに写真を貼るようにペタペタと貼り付けていくことができます。写真の拡大縮小や回転も自由にでき、できるだけ紙のアルバムと同じような感覚で使えるように工夫しています。
角谷さん今後、当社が成長していくためには、新しいことへのチャレンジが欠かせないと思っています。そこで、社内を3つのグループに分けています。第1グループは、会社の土台になる事業を行うグループ。お客さま側に常駐してサービスを提供しています。この事業がしっかりしているから、新しいことへのチャレンジができます。第2グループは、「ロゴッチ」などの新しいサービスの開発や、お客さまのご要望に応じたサービスを開発するグループです。第3グループは介護系のチームで、システム開発に加えて、営業も行っています。
社員の間ではやはり第2グループの人気が高い。新しいことにチャレンジしたいんでしょうね。だから、第1グループの社員も仕事が終わった後に会社に来て、自分で勉強をしています。そういう姿を見ると、「がんばってるな」と感じますし、その希望にできるだけ応えてあげたいと思います。もちろん、会社の土台となる第1グループも重要なので、その点はよく話して、理解してもらうようにしています。
当社のような会社はやはり、「人」がすべてです。人材で仕事の成否が決まる。だからこそ勉強してほしいし、学べる環境作りも大事です。いま、16人のスタッフがいますが、未経験者も多く採用してきました。技術の進歩も早いし、昔と比べると学びやすい環境になっているので、人材は経験よりも意欲があるかどうかを重視して採用しています。 当社の特長として、「技術にどん欲」ということが挙げられます。社員みんなが新しい技術にどん欲で、モノを作るのが大好きなんです。お客さまが当社を評価していただいているのも、常に新しい技術を使い、迅速にお客様の要望に応えるからだと思います。この点は今後も大事にしていきたいですね。
角谷さん社員全員の椅子があるオフィスにしたかったためです。移転前はせまいオフィスでした。お客さまのところで仕事をしているスタッフが集まると、全員の席がない状態だったのです。今年の新年会でその状態をみて、まずいなと。お客さまのところに常駐していて自分の会社に席がないと、会社への帰属意識が薄くなってしまいます。普段はいなくても自分の席がある状態にしたかったし、勉強できる環境も用意したい。ちょうど依頼される仕事の規模も大きくなってきていたので、新卒採用も開始し、20~30人くらいを目標に社員を増やしていきたいと思いました。また、セキュリティ面も強化したいと思っていました。システム開発会社では大切な顧客情報をお預かりするケースが多いため、社内の情報管理の強化が重要です。充実したセキュリティを備えているオフィスということも、オフィス選びのポイントでした。 そこで物件を探しはじめたのですが、PMO岩本町を見てひと目ぼれしました。入口の雰囲気、風格が良い。広さも申し分なく、移転のお披露目で全社員のほかに20社以上の取引先をオフィスに招いてパーティーを行った時、全員で着席できたことがとても嬉しかったです。セキュリティ面でも、1階エントランスのセキュリティゲートに加え、各フロアにもセキュリティを備えているという二重システムにとても安心できました。万全のセキュリティ対策は取引先にも好評で、実際、移転直後に大型商談が入りました。PMOを見たあとは、ほかの物件の内覧を断ろうと思ったほどです(笑)。
角谷さん社員のコミュニケーションが活発になり、会社の一体感が高まりました。先ほども話しましたが、お客様側に常駐している社員が、仕事を終えてから会社に立ち寄るようになったためです。まだPMO岩本町に入居して間もないのですが、社員のみんなは本当に楽しそうにしています。PMOに入居したことで勉強できるオフィスになりましたし、環境がいいオフィスは働いていても楽しいですよね。採用面でも、以前は採用に苦労しましたが、移転後は非常に好感触で採用に繋がっています。
私は、オフィスは楽しく、新しいことに挑戦していく雰囲気は大事にしていきたいと考えています。お客さまのニーズが半年で変わることもあるので、ユーザーが望むことをすぐに形にするというスピード感も大事で、それには応えていきたいんです。さらに、これからは開発のステップを短縮し、費用も納期もコンパクトにさせていきます。数週間でリリースできるくらいのイメージです。いままでのように機能を足していくとシステムが大きくなって、お金も期間もかかりすぎます。システムは、シンプルな機能で使い捨てでもいいんです、半年で古くなるんですから。日々進化させて、新しいシステムを安く早く提供していきたい。そのためにも、社員には学ぶ姿勢を忘れないでほしいと思います。個人的には、オフィスは遊び場だと思っています。仕事も勉強も、楽しくなければ続かないし、成果も出ません。これからは、私も含めて楽しく仕事していきたいと思っています。
代表取締役角谷 潤Jun Kadoya
※取材・撮影内容は、2013年8月のものです。