
「企業のブランド力を高めたい」。
経営者の方から頻繁に聞く言葉です。ですが、「企業のブランド力とは何ですか?」とその方々に問うと、答えは企業によって様々。ということは、ブランド力向上のために講じている施策も、各々異なっていることになります。なかには専門部署をわざわざ立ち上げ、予算をつけている企業も。しかし「ブランド力」とは、目に見えず、成果を図りにくいもの。ただ予算を消化しているだけ、そんなことにもなりかねないものです。
「ブランド」とは人から見て「独自の価値」を持つものです。そして「強い独自性」を持つからこそ、多様な商品や企業の中で「指名」される価値を持つものです。実は、そのためにすべきことは比較的明快なはずです。
ところが企業は、「独自の価値創出」ではなく、時に「ブランド」という言葉の持つ曖昧さを前にして、各々が、各部署が、バラバラな施策を散発的に打ち出してしまうことがあります。みんなが「ブランド力向上」を“手段”にし、その結果創出されるべき「価値」までが手段と化してしまっているからです。しかしながら「バラバラ」「散発的」こそ、ブランド価値から最も遠いものだといえるでしょう。
数少ない中規模オフィスだからこそ、企業は今「必要面積を満たしていれば…」「駅からの距離はこの程度で妥協しないと…」といつの間にか“コスト”からのオフィス選びに陥っているのではないでしょうか。
「社員にとって誇りになる」「相手先の信頼を得る」「事業そのものの好感度をあげる」「提案型の企業だからこそ、知的さや上質さにつながるイメージを」…
そんなVISIONを置き忘れたオフィス選びになっているのではないでしょうか。
Q25ブランド開発などにおいて重視する事項
項目 | コーポレート・ブランド(%) | プロダクト・ブランド(%) |
---|---|---|
① 経営理念の共有化 | 68.5 | 7.7 |
② 社内的モラールの向上 | 29.8 | 3.0 |
② 一貫したメッセージの発信 | 37.0 | 15.9 |
③ 消費者意識の調査 | 5.0 | 14.9 |
④ 製品等製造技術の向上 | 12.4 | 35.4 |
⑤ 品質向上 | 25.0 | 61.1 |
⑥ 広告宣伝活動 | 20.9 | 32.1 |
⑦ 価格設定および価格維持 | 5.1 | 2.36 |
⑧ 流通経路の確保 | 2.7 | 7.0 |
⑨ ブランド・アイデンティティの確立および使用規準の作成 | 14.5 | 6.8 |
⑩ ブランド・ポジショニングの確立 | 8.1 | 17.7 |
⑪ 新たな製品等コンセプトの創造 | 5.1 | 31.2 |
⑫ 後方・CI・IR活動 | 40.0 | 5.9 |
⑬ 偽造品の防止 | 1.5 | 5.7 |
⑭ 他社製品等または商品の動向 | 2.5 | 14.4 |
⑮ その他 | 1.0 | 0.8 |
■ ブランド開発等において重視する事項(出典:経済産業省「ブランド価値評価研究会報告書」より)
これは、経済産業省が首都圏を中心とした全国の上場企業3575社・非上場企業210社を対象にアンケートをとったものです。
ブランド開発等において重視される「経営理念の共有化」とは、その名の通り、社員の業務意識が同じ理念をベースにしていてこそ「ブランド価値」が生まれることを表しています。「社内的モラールの向上」は、「理念の共有化」がいかに高い意識で業務に反映されているか、ということでしょう。「一貫したメッセージの発信」とは、社会・顧客に対しての一貫性、つまり「バラバラ」でも「散発的」ではないことです。
これらを「表現」するのは、いうまでもなく各企業の「業務・業績」であり「商品」でしょう。もちろんそこに「人材」も含まれるはず。
しかしもっともシンプルに「理念」や「モラール」を発信し「メッセージ」となるものがあります。それが「オフィス」なのではないでしょうか。
ブランド価値創出への意識があるか否かに関わらず、「一貫したメッセージ」を社会に対して、顧客に対して期せずして発信しているもの、それがオフィスです。加えてオフィスは、社員対しても企業を物語る「表現」のひとつだといえるでしょう。
たとえば、「ブランド価値」は高いが同時に離職率が高い、そんな事象は起こりにくいものであるはずです。
野村不動産のPMOは、そのコンセプトのひとつを「企業イメージの向上」としています。
これは、業務の効率性や生産性向上と共に、「対外的な信用力を向上させること」がデザインのコンセプトとなっている、ということ。
加えて「ロイヤリティ向上」をコンセプトとすることで、その信用力が働く方にも向けられることを目指しています。「ロイヤリティ向上」とは、『このオフィスで働くことで得られる誇りやモチベーションの向上』ということ。
つまり、社会的・対外的なものだけではなく、内発的な信用力をも高めるためのオフィスであること。
それがPMOが考える「企業のブランド価値」なのです。
PMOにご入居いただいているテナント企業の方から、「どういうビルに入るかで、実力のある会社か判断される」という声を聞いたことがあります。 企業の「実力」とは、生産される業務の質はもちろんですが、「理念」や「社内的モラール」、そして「一貫したメッセージ」といったものが加味されるもの。それらをまず雄弁に物語るもの、それこそがオフィスとはいえないでしょうか。
「対外的なプロモートという面で企業イメージとオフィスの印象がリンクしているなと感じています」「クライアントとのミーティングやメディアのセッションは、宣伝も兼ねてなるべく弊社でやって頂くようにしています。その際に『綺麗ですね』『格好いいですね』と言われるので凄くありがたいです」。
PMOは、テナント企業様からこのような声をいただいています。なかには「ベンチャー企業こそオフィスに投資した方がいい」と、実感を込めておっしゃるテナント企業様もいらっしゃいます。
「オフィスはなによりも雄弁にその企業を物語る」。
PMOは、企業の理念や理想、社会へのメッセージ発信という観点からのオフィス選びをご提案しています。