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  3. Jリート市場の動向~2019年も堅調に推移。リスクプレミアムの安定が上昇要因~

ニッセイ基礎研究所×野村不動産オリジナルコラム Jリート市場の動向
~2019年も堅調に推移。
リスクプレミアムの安定が上昇要因~

金融研究部
主任研究員
岩佐 浩人

2019年に入り、Jリート(不動産投資信託)市場は引き続き堅調な動きとなっています(図表1)。市場全体の値動きを表わす東証REIT指数は、昨年の7%上昇に続いて今年も既に9%上昇しています(6/19時点)。これに対して、国内株式市場は米中対立の激化などを背景に2018年以降14%下落しており、Jリート市場の急ピッチの上昇に対して警戒する声も聞かれます。

それでは、Jリート市場はどうして好調なのでしょうか。その理由を探るため、Jリート市場の直近5年間の騰落率について、(1)分配金の成長、(2)10年金利、(3)Jリートに対するリスクプレミアム(分配金利回り-10年金利)の3つの要因に分解し、その寄与度を確認したいと思います(図表2)。
なお、Jリートの価格は、「分配金÷分配金利回り」で計算され、さらに、分配金利回りは「10年金利+リスクプレミアム」に分解することができます。したがって、分配金が増加(減少)、もしくは10年金利・リスクプレミアムが低下(上昇)した場合、価格が上昇(下落)する関係にあると言えます。

まず、(1)分配金の成長についてみてみましょう。2015年から現時点まで、分配金は累計で31%増加し毎年株価にプラス寄与しています。次に、(2)10年金利は累計で0.4%低下し(0.3%からマイナス0.1%)、17年を除いて毎年株価にプラス寄与しています。これに対して、(3)リスクプレミアムは毎年不安定な動きを示しています。15年から17年にかけてリスクプレミアムは1.4%上昇(2.7%から4.1%)し、株価に大きなマイナス寄与となりました。つまり、この間、分配金の増加や10年金利が低下したにもかかわらずリスクプレミアムの上昇がこれらの効果を打ち消してしまい、J-REIT市場は12%下落しました。リスクプレミアム上昇の理由としては、不動産市況が間もなくピークアウトするかもしれないとの懸念やJリート投信からの資金流出が挙げられます。しかし、18年以降はこれらの懸念が払拭されたことでリスクプレミアムの変動は落ち着きを取り戻しています。この結果、Jリート市場は分配金の増加や10年金利の低下といったファンメンタルズの改善を素直に反映し上昇していると言えます。
それでは、今後の見通しはどうでしょうか。不動産賃貸市場はオフィス市場を中心に堅調ですので、Jリートの分配金は引き続き増加が期待できそうです。10年金利についても安定推移が見込まれます。一方で、リスクプレミアムの変動は過去の動きをみてもなかなか見通し難いと言えます。しかし、現行水準(4.0%)は過去平均(3.4%)と比べて高く、大きく上昇するリスクは限定的だと思われます。このように考えると、高値圏にあるJリート市場ですが外部環境に大きな変化がない限り、今後も底堅い展開が期待できそうです。

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