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ニッセイ基礎研究所×野村不動産オリジナルコラム 「パワーカップル」の消費力と市場へ及ぼす影響

生活研究部
主任研究員
久我 尚子

妻が夫並みに稼ぎ、消費力のある「パワーカップル」の存在感が増している。近年、都心の高額マンション市場や家事代行市場、家電市場などを牽引しているようだ。
仮に、共働きで年収700万円以上の妻を「パワーカップル」妻とすると、弊社の調査(※1)では20~60代の共働き世帯の5.3%を占める。「パワーカップル」妻の内訳を見ると、30代(32.6%)が最多で、50代(30.2%)、40代(27.9%)と僅差で続く。ライフステージ(※2)別には、結婚(27.9%)が最も多く、次いで、第1子誕生と第1子大学入学、孫誕生がいずれも14.0%で並ぶ。
つまり、「パワーカップル」の3割弱がDINKS(Double Income No Kids)、7割強がDEWKS(Double Employed With Kids)で、DEWKSでは第1子出産後の30代や子育て中もキャリアを積み続けた50代が多い。

さて、消費力のある「パワーカップル」は、何にお金を使うのだろうか。まず、共働き妻全体について日常生活でお金をかけたいものを見ると、1位「国内旅行」、2位「貯蓄」、3位「子どもの教育」だ。「パワーカップル」妻でも1位は同じだが、2位に「海外旅行」、3位に「外食(グルメ)」があがる。また、全体と比べて「海外旅行」や「外食(グルメ)」、「国内旅行」、「その他の自分の趣味」、「自己啓発」、「ローン返済」、「自動車・バイク」など比較的、高額を要する消費が多い。
一方で「パワーカップル」では、「子どもの教育」や「貯蓄」が少ない。これはDINKSや子育て期を過ぎたDEWKSが半数程度を占めるためであり、子どもの教育に関心が低いわけではないだろう。都市部では、月10万円越の習い事併設の学童保育クラブや1回5千円以上の子どもの習い事送迎タクシーなど、子育て中の「パワーカップル」に向けたサービスが登場し、予約を受けきれないほど人気と聞く。

今後、ますます共働きは増えていく。女性の出産後の就業継続や管理職登用も進むことで、「パワーカップル」も増えるだろう。これらの世帯では「時間がない」ことが生活上の大きな課題だ。よって、時短家電や料理キットなどの「時短系」や、家事代行やベビーシッターなどの「代行系」、ネイルサロン付き美容院やカフェ付きコインランドリーなど同時に複数のことができる「ながら系」の商品・サービスのニーズが強まるだろう。さらに、「パワーカップル」には海外旅行などの高額消費も期待できる。
一方で少子高齢化が進む中、若い世代ほど将来不安が強く、消費を抑制する傾向もある。「パワーカップル」をはじめ現役世代の消費を確実に活性化するためには、ニーズに合う商品・サービスを充実させるとともに、可処分所得の引き上げや社会保障制度の持続可性を確保するなど経済不安の緩和も必要だ。

※1:生命保険加入実態や生活意識などの調査、調査対象20~60代男女、インターネット調査、2016 /12実施、調査機関は日経リサーチ、有効回答数6,296(うち今回対象は810、配偶者のいる女性で本人と配偶者の職業が正社員・正職員、経営者・役員、嘱託・派遣・契約社員、公務員、パート・アルバイト、自営業・自由業のいずれか)。
※2:「あなたのライフステージを次の10段階に分けた場合、以下のどれにあたりますか(単一選択)」という問いに対して、選択肢は「1.未婚」「2.結婚」「3.あなたの第1子誕生」「4.第1子小学校入学」「5.第1子中学校入学」「6.第1子高校入学」「7.第1子大学入学」「8.第1子独立(結婚・就職)」「9.あなたの末子独立(結婚・就職)」「10.孫誕生」。

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